これまで立ち寄った方々

2022年3月3日木曜日

「目的地」と、その間の「寄り道」【子どもの発達の道のり】

子どもたちの「目的地」はどこでしょうか?

いい点数を取ること?

いい学校に入ること?

いい会社に入ること?

わたしたちが生きる日本社会の現実として、「点数」や「学歴」や「会社」による”序列”があります。

将来の豊かな暮らしのことを考えれば、できるだけ序列の上の方にいくように…

序列の下にはならないように、できるだけ早い時期からしっかり準備することが、どうしても優先されてしまうのでしょう。

そして、その将来への道のりで「寄り道」をすることは、あまり許されない時代になってしまったのかもしれません。

学校帰りの寄り道と同じく、寄り道は「危ない(キケン)」「不安」だから。

レールや道から外れてしまったら将来どうなってしまうのだろう…と。

そんな不安を持つことは、当たり前で、決して非難されることではないしょう。


しかし、一方でこんなことも考えたいなと思うのです。

とある中学年の男の子が釣りに行く道中のこと。

目的地となる場所はありますが、彼が「こっち行ってみよう!」と言って、ちょっと寄り道をすることになりました。

そんな寄り道の途中で

「梅が咲いてる!」

「梅最高!」

「ここで(今度)お弁当食べたい」

 と彼。








 ”なんてことない”景色の中での、”なんてことない”つぶやき、そして、”なんてことない”願望。

しかし、目的地までのこの寄り道の中で、彼は確かに”この日の生(せい)をひとつ豊か”にし、そして”「明日」への期待や希望”を抱いたと思いました。


子どもの自殺の数は過去最高を更新し続けています。加えて、子どもの不登校数も過去最高を更新し続けています。

それらは、あまりにも未来への準備を求められ過ぎて、疲れ果ててしまっている子どもからの「SOS」だとも考えられるように思います。

だからこそ、ちょっと寄り道をしてひと休みしたり、そこでの風景を楽しんだりすることが、その中で、”生きること”そのものへの活力を得ることがとっても大切だと思うのです。


子どもには、

「未来(目的地)のための準備」

と、ともに、あちこちに寄り道もしながら

「”今この時を生きている”ことへの『感動』と、”未来を生きたい”と願う『期待』や『希望』」

が大切なのではないかと感じたエピソードでした。


「目的地」自体が果たしてどうなのかということは…またいずれ。

「寄り道」から見える景色は、日常とはまた違っていて美しく、人生に”彩り”を与えてくれるものです。

以下、引用

なんてことのない作業が この世界を回り回って

何処の誰かも知らない人の笑い声を作ってゆく

そんな些細な生き甲斐が 日常に彩りを加える

モノクロの僕の毎日に 増やしていく 水色 オレンジ

 

なんてことのない作業が 回り回り回り回って

今 僕の目の前の人の笑い顔を作ってゆく

そんな確かな生き甲斐は 日常に彩りを加える

モノクロの僕の毎日に 頬が染まる 温かなピンク

増やしていく きれいな彩り

Mr.Children「彩り」


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